シングルオー リョウゴク ロースト ワークス アンド カフェ
Photo: Kumiko Nakakuki

両国に豪発のコーヒーカンパニー「Single O」が大型ロースタリーカフェを開店

約200㎡の木材加工工場をリノベ、シドニー本店で評判のフードメニューも新登場

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Kumiko Nakakuki
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2024年5月1日、オーストラリア発のスペシャルティコーヒーカンパニー「シングルオー(Single O)」が日本上陸10周年を機に1号店を移転し、大型ロースタリーカフェ「シングルオー リョウゴク ロースト ワークス/カフェ(Single O Ryogoku Roastworks / Cafe)」をオープンした。

シングルオー
Photo: Kumiko Nakakuki

かつて木材加工工場だった約200平方メートルもの建物をリノベーションし、焙煎(ばいせん)場や生豆保管庫、カフェスペースを併設した。

内装デザインはシドニー本店と同様、Luchetti Krelle社によるもので、時を重ねてきた建物の風合いを生かしつつ、ブランドカラーであるオレンジを差し色としたスタイリッシュな空間を創出している。

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Photo : Kumiko Nakakuki廃プラスチックで作られたテーブルなどを配したサステナブルな店内

客席は店内に12席を用意。週末のみ焙煎場の一角を客席として開放し、さらに20席設ける。店の外にはウッドデッキの設置を予定しており、テラス席も作る予定だ。

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Photo: Kumiko Nakakuki同店代表の山本酉(左)と創業社長でシドニー本店代表のディオン・コーエン(右)

幅広い客層から支持、1日当たり100人以上が来店

これまで日本1号店では焙煎を中心に展開しており、コーヒーを販売するのは週末に限定していたが、1日当たり100人を超える来客があったという。地元の住民からコーヒーマニア、海外観光客など幅広い客層が訪れるのも同店の特徴だ。

シドニーにおいてスペシャルティコーヒーの先駆け的存在であるシングルオーは、直営カフェだけでなく有名ホテルやレストランに業務卸を行っている。2014年に日本初上陸した同店も「ビルズ(Bills)」や「シティベーカリー(THE CITY BAKERY)」「ダンデライオン チョコレート(Dandelion Chocolate)」 などの人気店に日本国内で焙煎したコーヒー豆を卸している。

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Photo : Kumiko Nakakukiシドニー本店と同じドイツ製のビンテージ焙煎機を使用

卸先の飲食店はコーヒー専門店とは異なりコーヒー目的ではない客も数多く来店するため、「誰が飲んでもおいしいと感じる味わい」を追求してきたという。焙煎を浅めにすることで豆本来のフレーバーを表しつつ、甘さを最大限に引き出す焙煎を行っている。

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Photo : Kumiko Nakakuki

また一般的に、自家焙煎コーヒー店は商社を通して生豆を仕入れ、それを焙煎し販売しているが、同店には世界各国の農園へ直接赴き、独自のルートで生豆を仕入れる専属バイヤーが存在する。ここでしか飲めない希少なコーヒーと出合えるのは、コーヒー好きにとってたまらない魅力だ。

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Photo : Kumiko Nakakuki

わずか10秒でバリスタクオリティーの一杯が飲める専用タップ

新店舗の店頭にはシングルオーがSix Simple Machine社と共同開発した「フリーポアコーヒーオンタップ」が並ぶ。これは2号店の浜町店でも導入されているもので、客はレジでコーヒー代を支払った後、4種類の銘柄が表示されたタップを選び、蛇口の下にカップをセットする。するとわずか10秒で、まるでバリスタがハンドドリップで入れたようなクオリティーの高いコーヒーが注がれるのだ。

コーヒーの抽出は、湯の温度や流量、注ぐ時間や蒸らす時間など、詳細に設定した条件によってマシンで行われる。価格は400円から(以下全て税込み)。黒い色で表示されたものがよりレア度の高い銘柄だという。このほかにハンドドリップやエスプレッソベースのコーヒーも用意する。

シングルオー リョウゴク ロースト ワークス アンド カフェ
Photo: Kumiko Nakakukiコーヒーの抽出技術を競う世界大会で2位を受賞した成沢勇佑を目的に訪れる客も。トレーナー業務を担う傍ら、店には当面土日にシフトインする

シドニー本店で評判の軽食メニューを日本でも

移転オープンに際し、シドニー本店で長年親しまれてきた3種類のフードの提供を開始する。同店代表の山本酉(やまもとゆう)は「オーストラリアのカルチャーは、コーヒーロースターであってもこだわって作った料理を提供するのが特徴です。今後はそれを日本でもやっていきたい」と話す。

それでは早速、今回新登場するメニューを紹介しよう。

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Photo : Kumiko Nakakuki

「Reservoir Dog」(1,200円)

もっちりと歯応えのあるパンに、沖縄のハム・ソーセージ専門店「テシオ(TESIO)」が手がける特注ソーセージやキャラメライズドオニオンなどをサンド。シドニー本店でかつて提供していた商品で、代表の山本がシドニー本店での修行時代にキッチンでよく作っていたものをリバイバルした。

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Photo : Kumiko Nakakuki

「Boris’ Beans」(1,800円)

ピリ辛さと酸味が後を引く、フェタチーズや水切りヨーグルトなどで作る中東料理ラブネと、ミックスビーンズの煮込みを合わせたメニュー。シドニー本店の初代焙煎機がトルコ製で、そこからインスピレーションを受けた創業者ディオンが発案した。ボリスとは焙煎機に名付けた愛称だ。

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Photo : Kumiko Nakakuki

「Avo Show」(1,800円)

シドニー本店で愛される、アボカドとサワードゥを合わせたオーストラリアらしい一品。付け合わせにはフェンネルのピクルスを。ブランチや軽めのランチに最適だ。

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Photo : Kumiko Nakakuki

同店では2024年7月、都心にコーヒースタンドのオープンを予定している。それを皮切りに今後も積極的に出店していきたい考えだ。品質の高いコーヒーが手軽に楽しめるスポットが増えていくのは、コーヒー好きにとってうれしいニュースだろう。

これから新緑の風が心地よい季節が始まる。休日はぜひ今後注目間違いなしのロースタリーカフェを訪れてみてほしい。

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